壁紙の種類は大変多彩です。
JIS規格では、「壁紙とは、紙製、繊維製、プラスチック製及び金属はく製などのもの」としておりますが、これを表にしてみますと次の通りです。
壁紙紙 和紙壁紙(襖紙の鳥の子や表具用の和紙を用いることもあります)
洋紙壁紙(国産・輸入を合わせて多彩な種類があります)
表面化粧壁紙(表面に金属箔、天然木などを張ったものもあります)
織物系壁紙 編物壁紙(糸を編んで布にしたものです)
タテ糸張り壁紙(タテ糸を引き揃えて紙に張ったものです)
植毛壁紙(ベースの紙に短繊維を植毛したものです)
不織布壁紙(不織布を用いた壁紙です)
ビニル壁紙 無地系壁紙(石・砂・布目などのエンボス加工品で発泡品もあります)
プリント・エンボス壁紙(自然材のテクスチャーを表現した物から、花や植物、風景や動物などをモチーフにしたデザインのものなど大変多彩な種類があります発泡品もあります)
高発泡壁紙(発泡度が高くふわふわした感じのもので天井向き製品です)
チップ壁紙(ビニルチップをベースの紙に散布してつくったものです)
その他の壁紙

無機物質壁紙(石の粒や粉、セラミック粒などを紙に付着させた製品です)
ガラス繊維織物壁紙(ガラス繊維で織った壁紙です)
オレフィン系壁紙(ビニル壁紙と似ていますが異なる樹脂の壁紙です)


壁壁紙の施工は、お客様の心にかなった美しいインテリアをつくり、ご満足いただくためのものですが、よく、お客様から業界団体などに、壁紙が剥がれた、変色が出た、破れたなどのクレームや相談が寄せられています。その中には、建物や環境、使い方などが原因のものもある筈ですが、施工に問題があったと思われるケースも想像されます。壁紙の施工で、下地調整や接着剤の選択、貼り方がなどが適切でないと、施工後数年してから、それらの支障が生じることがあります。目に見えない部分の欠点ですから、施工しているところをみても一般の人には分かりにくいのですが、それだけに、壁紙張りは、しっかりした技術と良心的な施工によって納められることが大切です。

白鳳堂は壁紙の草創期から、確実な施工をめざして研鑽を重ねてきております。その目的のために、自社だけでなく技術的に高い同業者とも協同することを考え「壁装研究会」を結成して、情報や技術の交流を図っています。その活動のなかで、質の高い施工と、前記のようなクレームを極力無くすために、技能者を育成する教科書「壁張りの技法」の出版もいたしました。
壁貼りの技法は、壁装研究会のホームページでも公開しておりますので詳細お入り用の方
http://www.hekisou.gr.jpをご覧下さい

次のようなケースは、壁紙で支障を防止することはできません。どうぞ、ご理解のほどをおねがいします

◆ひび割れ、隙間
 壁紙はごく薄い材料ですから、下地材が収縮して動くと、壁紙も下地に伴ってひび割れたり、隙間を生じさせたりしてしまいます。
 下地がモルタルなど塗り仕上げの場合には、ヘヤークラックが生じることがあります。これが微少な場合は、壁紙によって気付かないこともありますが、少し大きなものですと、壁紙ごとひび割れてしまいます。

木製の柱、胴縁 、あるいは木製パネルなどにボード類を打ち付けた下地の場合も、木材の乾湿による下地の動きにつれて、下地ボード類の継ぎ目や、出隅入り隅などでひび割れや隙間などが生じることがあります。
 プレキャストコンクリート、ALC版などは構造上、板の継ぎ目部分を振動の逃げ場にしていますので、これをまたいで壁紙を張ると、ふくれ、よじれ、割れなどの支障が生じます。ですから壁紙は板の継ぎ目で目地をとって張ることが必要になります。

◆漏水、雨漏りによるシミ
 漏水や雨漏りのため壁にしみができた場合は、壁紙の張り替えより先に、水回りや、雨じまいの修繕をする必要があります。水がしみてくる原因を直さなければ、壁紙を張り替えても、すぐしみ汚れが出てしまいます。

◆◆柄に矛盾が生じる場合◆◆

◆柄の水平・垂直
 壁紙の柄によっては、建物との関係で柄の水平、垂直に矛盾がでる場合があります。 施工はなるべく視覚的に納まり良いように努力しますが、それにも限界があり、やむなく多少の狂いが生じることがあります

◆織り柄のずれ
 柄織物壁紙は、柄が正確に合わないものがあります。施工は柄の狂いを修正しながら張りますが、なお修正しきれないこともあります。そういう場合にも見苦しくない納め方を工夫しますが、完全に対応しきれないことがあります。織物の特性上やむを得ないものとしてご了承ください。

◆袋張りの湿度の高い時期のたるみ
 袋張りは、小判に裁つた和紙を、下地との間に空気層がある浮かした状態に張る下張りです。ソフトで平滑な下地が得られ、織物壁紙の風合いが生かせる優れた工法です。欠点は湿度の高い時期に和紙が伸びてたるみが出ることです。これは空気が乾燥すれば元に戻るので心配はありません。和紙の選択など施工上も工夫しますが、完全に防ぐのは難しく、呼吸する自然材の宿命としてご理解ください。


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